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人が記憶をするメカニズムと科学的な見地から記憶力を良くする方法!

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今回の記事は記憶力を強くする方法を紹介したいと思います。

皆さんの記憶力は良いですか?

私は勉強とは関係のない事ばかり憶えているタイプです。

記憶力は人に差がありタイプも異なりますよね。

そこで誰もが記憶力を良くする方法を記憶の仕組みと一緒に紹介したいと思います。

 

目次

 

 

1.記憶力とは?

皆さんは記憶力のいい人ってどんな人だと思いますか?

 

例えば、仕事のできる人とか東大生とか思い浮かびますよね。

でも私はベテランのタクシー運転手もすごい記憶力がいいと思うんですよ。

都内のタクシー運転手なんて複雑な道を行き先を聞いたらすぐに出発してちゃんと行き先に着くじゃないですか。頭にカーナビ入ってんだろレベルです。

こういう人らはどう言った方法で記憶しているのでしょうか。

 

脳というのはニューロンと呼ばれる神経細胞が集まって出来ています

この神経細胞は私達が生まれたばかりの時がピークで最も多く歳を取るにつれ減っていきます。

なので70歳の人の脳の重さは生まれた時より約5%も軽くなっているのです。

脳の神経細胞はアルコールや睡眠薬、麻薬などを摂取すると死にやすくなる事が知られています。

「痴呆症」などになりたくない人はこれらを控えましょう。

 

かつては、脳の神経細胞は増殖する能力が無く減る一方だと考えられていましたが現代では脳を使えば増える事がわかっています。

 

ある研究でタクシー運転手の脳のMRIを取ったところ脳の神経細胞が普通の人より多かったのです。更にタクシーの運転手歴が長い人の方が更に神経細胞の数が多かったのです。

タクシーの運転手歴30年のドライバーは3%も脳部位が膨らみ、神経細胞の数は20%も増えていたのです

これらの事から分かるように脳を鍛えれば記憶力は上がるのです。

まあ、逆に言うと鍛えなければ記憶力は上がらないという事ですけどね。

 

2.記憶の分類

記憶と一括りに言っていますが記憶にも種類があります。

その種類を見ていきましょう。

 

まずは記憶の保持される時間での分類です。

皆さんも聞いた事があるかもしれませんが、保持される時間が短いものを「短期記憶」、保持される時間が長いものを「長期記憶」といいます。

皆さんもそれとなくわかりますよね?

短期記憶の例として電話番号などがありますよね。

その時かけるだけの電話番号はかけるまでしか憶えてない事が多いです。

 

しかもこの短期記憶は一度に記憶できる数は7つまでと言われています。

訓練をすれば10くらいまで憶えられるようにはなりますが大抵の人は7つです。

これは米国の心理学者ミラーが発見した「マジカルナンバー7」と言われるものです。

例えば曜日も月火水木金土日で7つ、音階もドレミファソラシドで7つですよね。

 

では電話番号はどうなのかと言う疑問が生まれます。

電話番号は市外局番まで入れると10桁以上になりますよね。

これを憶えるのを助けているのが「ー」です。

これにより数字をグループわけする事で短期記憶の容量に収まっているのです。このようなグループ分けを「チャンク化」といいます。

 

一方で長期記憶は長い時間脳に残る記憶のことです。 

この長期記憶はいくつかの種類がありますのでそれを紹介していきたいと思います。

 

1つ目は「エピソード記憶」です。

さて貴方に質問です。

今何か過去の事について良く憶えているもの思い出してください。

何を思い浮かべましたか?

何でもいいのです。好きな人に告白した事、何かで一位になった事、友達と遊んだ事

人によって様々ですよね。

でもひとつだけ共通しているのは、いつ何処で何をしたかという自分の過去のエピソードにまつわる記憶であるという事です。

このように自分の経験などから来る記憶を「エピソード記憶」というのです。

 

2つ目は「意味記憶」です。

意味記憶エピソード記憶と違い経験とはあまり関係のない「知識」に関する記憶です。

エピソード記憶の説明でした質問の時に皆さんは自分の経験にまつわる記憶を思い出しましたよね。

あそこで「織田信長は本能寺で死んだ」なんて思い出す人は居ないはずです。

このように、エピソード記憶は意識して思い出す事ができますが、意味記憶は何か特別なきっかけが無いと思い出す事が出来ないのです。

 

実はエピソード記憶は時間が経ちエピソードを忘れて知識だけ残ると意味記憶に変化するのです。

そして意味記憶になるとド忘れしてしまうことに繋がるのです。

 

3つ目の記憶は「手続き記憶」です。

私達は生まれたばかりの頃は出来なかった服を着る事や歯磨きなどが出来るようになっています。

つまり今まで生きてきた中でいつの間にか記憶しているという事になります。

何度か失敗して自然と上達してくるのです。

この様な行動は実際に体が覚えているのではなく脳に記憶されているのです。

このような記憶を「手続き記憶」というのです。 

 

他にも「ライミング記憶」などもありますが説明を省きます。

気になる方は調べてみてください。面白いですよ。

記憶にはこんなも種類があるのです。

 

さて少し説明が長くなって読んでいても疲れてくると思います。

まだまだ続くのでここらで一度読むのを中断しても良いかも知れません。

記憶の観点から見ても全てを一度に覚えるよりいくつかに分けた方が頭に残りますしね。

またここで辞めれば「ツァイガルニク効果」も発動するので続きが読みたくなる筈です。

 

chikkun.hatenablog.jp

 

 

3.科学的見地から記憶を強くする方法

 

さて皆さんが知りたいのは記憶を強くする方法だと思います。

前提知識として様々な事を長々と紹介しましたがいよいよ本題に入りたいと思います。

 

その1.歳相応の記憶法

 

人は歳をとると記憶力がなくなると言うのはよく聞く話です。

昔より記憶力が落ちたと感じる方は落ちたわけではなく変化した為そう感じるのてます。

例えば、若い頃は「意味記憶」が良く発達しています。しかし「エピソード記憶」は、ある程度の年齢にならないと完成されません。

ですので小学校では小学生4年生くらいの時に掛け算の「九九」を覚えさせますよね。

これは意味記憶が発達している時に暗記させようという意図なのです。

逆に中学生くらいになるとエピソード記憶が完成されて理論的な記憶力が発達してきます

 

なので中学生になるまでは「丸暗記」でテストに臨んでいても何とかなりますが高校生になると難しくなるのです

 

つまり記憶の種類が変化するのです。

なので歳を重ねたら「丸暗記」はやめましょう。 むしろ理論的に記憶する事が必要になってくるのです。

では理論的に記憶力を鍛える方法を見ていきましょう。

 

その2.記憶力を増強する

 

ここで説明しておきたい事が1つあります。

それは「LTP(long-term potentiation)」という物です。

これは、高い周波数で脳を刺激するとシナプス伝達の効率は上昇し、この刺激の後、長時間持続するというものです。

シナプスの伝達効率が上昇すると記憶力が上がるのです。

 

さてこのLTPを起こすのに高い周波数で脳のシナプスを刺激する事は難しいですよね。

LTPを自力でおこすには海馬がθリズムに乗せる必要があります。

なのでθ波を作り出すような状況に自分を置く事が必要になります

初めての場所に行ったり、初めての人に会ったりした時に海馬は自然とθリズムに乗るのです。

 

こうした特別な状況で無くても、θリズムを意識して出す事ができます。

 

それは覚えたい事に興味を持つ事です。

こうする事で海馬は自動的にθリズムに乗るのです。

なので冷めた感情で勉強するより、積極的な姿勢でいる方が記憶に残るのです。

つまり何でも興味を持つ「好奇心」が記憶とっては重要なのです。

 

 

その3. 連合させて覚えやすくする

 

シナプスには「連合性」という性質があります。

これは物事と物事が連合されるとより弱い刺激でもLTPを起こす事ができるというものです。

 

つまり物事と物事を関連づける事で覚えやすくなるというものです。

丸暗記した知識や公式は覚えたつもりでもすぐに忘れてしまいます。

なので物事をよく理解する事が大切なのです。

 

例えば「1836547290」という数字をただ覚えようとしても短期記憶なので明日には忘れているでしょう。

しかしこの数字の並び方の法則がわかればずっと記憶に残るでしょう。

ちなみにこの数字の並び方の法則は左の1から1つ飛ばしで奇数の小さい順、

左から2つめの8から1つ飛ばしで偶数で大きい順で並んでいます。

わかりにくいので「13579」の間に「8642」が入っていると考えてください。

 

このように要領よく記憶するには「法則性をつかむこと」と「理解して覚える」という事がとても重要になってくるのです。

 

語呂合わせも記憶をする中で丸暗記よりは遥かにいい方法です。

また語呂合わせを口に出して読む事で視覚だけでなく聴覚も使って覚える事が出来ます。

耳で覚えることは目で覚えることより強く心に残ります。

例えば、音楽の歌詞を覚えるときもメロディー無しで覚えるよりメロディーがあった方が覚えやすいでしょう。 

 

その4.復習と「エビングハウス忘却曲線

エビングハウス忘却曲線」というものはご存知でしょうか?

これは人の記憶が時間経過でどれだけ失われていくかを表したグラフのことです。

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                                                                                                       (出典:Wikipedia)

実は私達はものを覚えた4時間後にはその75%以下しか覚えていないのです。

なのでテスト直前の詰め込み記憶はあまり良い方法ではありませんが、どうしてもしなければならない状況の時は前日の夜に徹夜をするよりも当日の早朝に詰め込んだ方が覚えていられる確率は上がります。

さらにエビングハウス忘却曲線によると、テストまでの4時間が勝負になるでしょう。

 

さらに忘却を早めてしまう事があります。

それは他の事を追加して記憶する事です。

これもエビングハウスの実験で証明されているのです。

 

記憶は神経回路が相互作用しているのである程度、類似性があると以前の記憶が妨げられてしまうのです。

なのでテスト直前に英単語100個を覚えなければいけない時、100個全てを覚えようとするより確実に50個覚えた方が高い点が取れる事もあるのです。

 

さてでは忘れないようにするにはどうすれば良いのか。

忘却曲線のように下がっていく記憶は「復習」によって忘却はなだらかになっていくのです。

しかしこの復習も1ヶ月以上空けてしまうと記憶力の増強がほとんど起きないのです。

科学的にもっとも能率的な復習の仕方は、まず1週間後に1回目、次にこの復習から2週間後に2回目、そして最後に2回目の復習から1ヶ月後に3回目を行うというものです。

このように少しずつ復習の間隔を長くしながら2ヶ月間かけて行う事が重要なのです。

 

 その5.睡眠と記憶の関係

先程、徹夜での勉強の効率の悪さを述べました。

これについて更に深い理由があるのです。

キーワードは「」です。

皆さんも知っているかも知れませんが睡眠というのはリズムがあります。

浅い睡眠であるレム睡眠」と深い睡眠であるノンレム睡眠」が90分ごとに繰り返されるのです。

人が夢を見るのはレム睡眠の間です。この時、脳波は活発になります。

夢というのはレム睡眠の間に見るものですが、脳の中に全く存在しないものが出現する事はありません。

夢は一種の「記憶の再生」なのです。 

人は一晩に膨大な量の夢をみます。更に夢は日常的な事が多く再生されます。

 これらはあまりに日常的なので人は覚えていられないのです。

夢は昼間にあった事を思い起こすという行為なのです。

 

つまり夢は脳の情報を整え、記憶を強化するために必須な事なのです。

ある研究によると何か新しいことを身に付けたいなら、覚えたその日に6時間以上眠る事が欠かせないという結果が出ました。

睡眠は記憶するのに欠かせないのです。

 

4.まとめ

記憶を強化する方法は他にもいくつかあります。

また記憶力を強化することのメリットは勉強や知識、技術が覚えやすくなるだけではありません。

実は私達はストレスも記憶しているのです。

新しい環境だと人は緊張してストレスを感じますよね?

でもいつしかそのストレスを弱いものとなります。

この時、環境は変化していないので自分がストレスに慣れたのです。

 

脳がストレスを記憶してストレスを感じにくくなるのです。

更に記憶力が良い人はこのストレスに慣れる速度が早いのです。

 

どんな年齢の人でも物を覚えることは出来るので諦めずに書いてある事を試して下さい。

 

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記事を書く活力になります。

 

 

ではでは

 

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